先日、儀式作法研究会の代表である岩上 力先生の講習を聴かせていただきました。その中で一番に心引かれたのは『礼法は心なり』という言葉でした。
結納も大切な礼法のひとつですが、「それには心が一番大切ですよ」という意味です。
しかし、付け加えて言われたのは、『心というのは言葉だけでは伝わりませんよ。心を伝えるためには形が必要になりますよ』とのことでした。
それはそうですよね。「この娘さんをお嫁にください。必ず必ず大切にしますから……。お嫁さん側の里ももちろん大切にしますから……」と言葉だけで言われても……。
また「結納は本心が見えてくるもの」。
心というのは『心変わり』という言葉があります。しかし、本心には『本心変わり』という言葉はありません。
ゆえに『結納の品には婿方の真心と本心があります』という説明でした。
私も当ホームページの結納辞典で、「結納は男性側の誠意と真心を贈るものですよ」ということを申してきましたが、岩上先生の鋭い言葉になるほどと感心した次第でした。
結納の歴史についてもさらに奥深い史実を教えていただきました。
『婿入り婚』
平安時代の終わり頃から、鎌倉時代において婿入り婚というのがありました。
お嫁さんをもらう前に、婿が嫁方の家に3年から5年入り、花嫁の家の基盤をしっかりとするべく、仕事を手伝ってから嫁をもらっていったそうです。すなわち、花嫁さんの家に対しての気配りです。それがだんだんと変化し、[結いの物 ⇒酒肴等の品々]を贈るようになり、明治以降より結納の品にお金を入れだしたそうです。
 講習中の岩上先生 |